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院長ブログ

「聖なる夜に」


 今日は、クリスマスで、街はいつも以上に賑わいをみせていた。

 楽しそうに片寄せ歩く恋人たち。 それに混ざって、いつも通りの仕事を終え、「クリスマスデートか・・・」と心でつぶやき、手をつなぐ二人連れの流れを縫うように家路を急ぐ人々。

  この酔狂なブログを読む奇特な方がどれほどいらっしゃるかはわからないが、皆さんはどんなクリスマスを過ごされたのだろうか?

  ふと、用事で夕方、外に出ると、若いカップルがなにやら穏やかでない。口角泡を飛ばしている。信号待ちで、聞くともなしに会話の断片が耳に届いたところによると、ケンカの原因は、どうやら、男がいつものレストランで食事をしようと何気なく言ったことに、女性が腹を立てていたようである。

『今日はクリスマスよ!』

『それがどうしたのさ』

『なんで、クリスマスなのにいつもの店なわけ?記念日は、特別な店で祝うものよ!』

『そんなの決まってないじゃん』男は、マイペースである。

『何、言ってるのよ!友人たちもみんなそうだし、常識でしょ!』

『そんな常識知るかよ!』・・・・・・

 まあ、こんな感じである。ぼそぼそと正論を返す男も煮え切らないが、この女性も何様のつもりであろう?

 くだらない経歴や成金風情で言いたい放題のタレントが、テレビ番組の中で雨後の筍の如く増殖しているのに辟易していたが、まさに、世相を反映していたということか。

 記念日だからこそ、静かに我が家で過ごす、あるいは、いつもの肩肘張らない料亭でまったりと出会えた運命を祝う・・・そんなおしゃれなカップルはめっきり少なくなったようだ。

 今日も、頭の中にスパークリング・ワインがつまったカップルが、六本木や青山で歓声を上げているのだろう。

 それにしても、クリスチャンの方々が祝福するのはわかるが、そうではない大半の日本人がここまでクリスマスで盛り上がるのは、かなり奇異である。ブッダの生誕なら、4月8日だが・・・。イベントとして盛り上がりたいだけならば、世界には数多くの宗教があるわけで、他の神々の生誕も祝ったらいいのではないか?おまけに、サンタクロースまでクリスマスと合体させている!これは、バットマンと仮面ライダーを共演させるようなものだ。ちなみに、サンタクロースは、4世紀の東ローマ帝国の司教であった聖ニコラウスの伝説に由来し、子供たちが枕元に靴下を吊るしておくのは、12月6日である。

 こういう日は、名画『オーケストラの少女』でも観ることにしよう。ティーンエイジャーの頃、ジュディー・ガーランドと未来のミュージカル女王の座をかけて競い合ったディアナ・ダービン主演の名画で、彼女の美声はもちろん、かの名指揮者ストコフスキーも出演している。失業中のトロンボーン奏者の父親を愛するパッツィ(ディアナ・ダービン)は、単身、ストコフスキーの楽屋に押しかけ、尊敬する父親がどんなに素晴らしい奏者であるかを訴えて、何とか父親を楽団に加えてもらおうと決意するのだが・・・・。心温まる映画であり、騒々しい街中にいるよりも、はるかに素敵な夜を過ごせること請け合いである。 


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