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院長ブログ

「職人気質考」


最近は、本当の職人が少なくなってきた気がする。

職人は、どんなに忙しくても、一人一人に対して、一つ一つのモノに対してこだわりを持つ。
料理でも、音楽の演奏でも、手術でも同じである。

だから、1日にこなせる仕事には限界がある。
ということは、1日のキャパシティーを超えたら、顧客を断る、或いは待たせるのが、真の職人ではないか?

マスメディア、大量消費の現代であるが、文化の芯の部分を忘れてはならない。
職人文化は、一流の職人だけでは成り立たない。
それを支える一流の客人がいて、初めて継続機能するのである。

一流の寿司職人も、職場を離れて、買い物するときは、今度は一流の客人にならねばならない。
一流ブランドの商品が、モノとして必ず優れているか?といえば否である。
クチコミは当てになるか?ブロードバンドの情報化社会では、クチコミなど自分でも流せる訳であり、参考にすらならないことも多い。
自分の目で見て、考えるしかないのである。

情報には、真実もあれば、眉つばもある。
それを、見極めるのは、結局、自分の頭で考えることである。
知識の量ではない。
昔、万巻の書を読破したと広言していた教師をしっているが、素晴らしい人格者であった。
実際、1万冊もの書を読破するなどということは、並はずれた向学心、知的探究心を持つ人間でないととてもかなわない。
ただ、一つのテーマで考える、推論を進めるといった時に、どうしても知識にたよる癖から脱却できないところが見られた。
古典は古人の叡智であるが、それすら真理とは限らないのだ。
自らの頭で、じっくりと噛みしめなければ、身に付かない。

一人一人が、プライドをもった世の中になれば、必ずや世の中全体に光が射してくるはずだ。

人間など、いつ死が訪れるかわからない。
本当の幸福は、貧富の彼方にある。

たまには、人生を振り返って、思索に耽っては如何だろう?
座右に、論語を置くのも一興かもしれない。

下村湖人は、小説「次郎物語」で有名であるが、真の思索家・哲学者である。
いきなり、読書欲が湧いたのはよいが、岩波文庫で「論語」を買い求めていざ読み始めると、中途にして挫けてしまったという向きの方には、同著の「論語物語」はお薦めである。

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